シリコンバレーと日本、デジタルライフスタイル

昨今、AppleやSony、任天堂などのコンピューターやコンピューターエンターテイメントメーカーが、音楽配信や、昔のゲームソフトの配信などお茶の間に対してインターネットを通じたコンテンツ配信が盛んになっています。また、Webを通じたエンターテイメントにも変革がおきており、Web2.0といった言葉に代表されるようにユーザーが情報を発信しやすい環境が整備されたり、Webサービスが様々なものから呼び出せるようなAPIを公開をはじめている企業が増えてきている。
 この趨勢のなかで、日本が得意としている家電(テレビ、コンピュータ、ゲーム)などにおいて、表示デバイスやゲームに関しては優位性を保っているものの、コンテンツ配信に関しては、アメリカに大きく遅れを取っている。例えば、音楽配信と動画配信では、iTunesStoreが先行していたり、youtubeやGoogleなどベンチャー企業が提供するサービスがコンテンツ業界の中で幅を利かせている。音楽配信に関しては、Appleが始めた時期より遥か前に音楽配信ビジネスは始まっていたが、それほど普及しておらず、ほぼ立ち消えになっていた。その原因として考察されるのは、音楽を購入し、視聴するためのソフトウェアやDRMの制限が強く、消費者にとってはとても使いにくいものになっていたこと、ダウンロードした音楽を持ち出すのに、各社の囲い込み戦略で、配信サービスによって使えるプレイヤーが限られていること。、一曲あたりの価格が高い。などがあげられる。
iTunesStoreの場合、DRMの制限がゆるく、他のプレイヤーでも視聴できる可能性がたかい、iPodの爆発的な普及、一曲あたりの価格が安いなどの要因が考えられる。
 情報通信技術の発達により、上記に述べたエンターテイメントを皮切りに、医療、ロボティクス、バイオインフォマティクスなど様々な領域の情報がインターネットを通じて流通できるような環境が整備されてきている。
 このような環境のなか、エンターテイメント、バイオなど先端技術をビジネスとして世の中に様々なサービスといった形でイノベーションを定期的に発信しているのがシリコンバレーである。コンピューターのイノベーションであれば、有名なのがGUIを利用したコンピューターを初めて商用化したAppleや、インターネット上の情報を整理しつくすことを目標としているGoogle社など3〜5年のスパンで大きなイノベーションを起こしてきた。日本においても、革新的なイノベーションを提供しているが、定期的にかつ世界的に大きな流れを引き起こすには至っていない。
 技術的な面から考察すると、日本とシリコンバレーとの差異はそれほどないと考えられるがなぜ日本においてAppleやGoogleなどのような企業が生まれないのだろうか。
 まずその原因を考える前に、シリコンバレーの歴史について触れたい。
「シリコンバレー」という言葉は、1971年にジャーナリストのドン・ホーフラーが業界紙「エレクトロニック・ニューズ」で用いたのが始まりとされている。ホーフラーはカリフォルニア州パロアルト周辺の半導体産業を指す呼称として「シリコンバレー」を用いたが、後にはその周辺のより広い地域全体がシリコンバレーと呼ばれるようになった。 
 シリコンバレーの歴史は、スタンフォード大学のターマン教授の支援を受け、パロアルトのガレージからヒューレット・パッカード社が産声を上げた1937 年に始まる。半導体ラッシュを受けて「シリコンバレー」と名づけられ、今日の原型がほぼ固まったのは、1970年代の初めのことである。それまでは、スタンフォード大学と数社のハイテク企業が存在するだけで、アップル社の社名の由来となったリンゴ畑等が広がる田園地帯であったシリコンバレーは、以来、 1970年代のコンピュータ・ラッシュ、1980年代のコンピュータネットワーキング・ラッシュ、そして一時の低迷を経て最近のソフトウェア、インターネット・ラッシュといった形で、その姿を大きく変えてきた。

シリコンバレーの主要企業の勃興
1891 Leland Stanford上院議員がStanford大学設立
1931 Bill Hewlett, David PackardがAudio Oscillator開発会社
設立
1947 William ShockleyがPalo AltoにShockley研究所開設
1957 Gordon Moore, Eugene Kleinerら(Traitorous 8)が
  Fairchild Semiconductorを設立
1968 Intel設立
1974 Apple Computer設立
1976 Oracle設立
1982 Sun Microsystems設立
1988 Cisco Systems設立
1993 Siebel Systems設立
1995Yahoo!設立
1998Google設立

 シリコンバレーがイノベーションを定期的に引き起こしている源泉は、ベンチャー企業である。米国でのベンチャー周辺の背景として、ベンチャーキャピタルによる投資を中心としたリスクマネーの供給、株式公開やM&Aによるキャピタルゲインといった資金調達の仕組みができたことが大きい。また、ストックオプション制度により、関係者には事業を成功させるインセンティブが提供された。さらに、1980年のバイ・ドール法以来、産学連携が進み、大学の技術シーズを活かしてイノベーション競争をリードするベンチャー企業が現れたことも、その増加を促した。

こういった背景もあり、優秀な人は、企業、次に優秀な人は大企業、その他は地方自治体などの公共団体への就職といった順序で就職のレベルが変わる。つまり、優秀な人がスモールベンチャーで新しい挑戦を行えるような環境が米国、シリコンバレーには整備されている。

それと対比して、日本では、優秀な人は省庁の官僚、大企業への就職が多く、ベンチャーへの就職や起業をするといったマインドが育っておらず、フットワークの軽いベンチャーでイノベーションを起こす土壌が日本には整備されていないのが米国と日本の大きな違いだと結論づけることが可能だ。

その代わり、大企業や製造業などの既存の企業では技術をもったいわゆる匠といわれるような人が多く、世界中のエレクトロニクスカンパニーの製品の部品には日本の技術、もしくは部品を作るための機器やソフトが日本製といったことが多い。

米国では派手なエンドユーザーにリーチするようなイノベーションが得意な一方、日本ではそのイノベーションを支える技術のイノベーションが得意であるように思える。
今後、世界の趨勢を見るとソフト開発はインドや中国へのオフショアリング、コンピューター製造は台湾メーカーへの製造委託などルーチン化できる部分は人件費が安価な地域への外注化が進む。今後日本が、技術的イノベーションなどで優位に立つためには、加工貿易で成功したモデルを、今度は知的労働(サービス、研究開発)へのシフトが重要だと考える。そのためには、大企業の優秀な人が、企業なりフットワークの軽い企業へ移って自分のアイデアを高度な技術で形にして世の中に提供するといった流れが今後重要になってくるのではないだろうか。また、それを支援するファンドや、大学でのインキュベーションなどの制度の充実も必要である。
例えば、大学の大学院をイノベーションのための学科(経営学から資金調達・理系大学の優秀な学生への起業支援的な内容)を作るなど大学の支援も必要ではないかと思う。今後は経営と技術の両面を深く理解している人が求められるからだ。シリコンバレーの中心にはスタンフォードがあるように、日本においても、金と知識と人が集まる地域が必要である。事例として、福岡の九州工業大学発のベンチャーが福岡県飯塚市をアジアのシリコンバレーにしようといった活動をしている

議論は情報通信技術に戻すが、テレビ、デジカメなど日本が得意としてきたエレクトロニクスを支えているハードとソフトがあるがハードに関しては半導体は現在コモディティ化が進んでおり、汎用的なプロセッサを利用することが多くなっており、差別化しづらい状況となっている現在、TRON
などハードを制御するためのソフトウェアがより重要となっている。家電製品の制御TRONを利用することが多いが、最近ではLinuxの導入が増加しており、日本の優位性が薄れ始めて来ている。そのような状況の中で、日本が今後先進的なポジションでいるためには、TRONのような世界標準の確立と、GoogleやiPodのようなエンドユーザーに広く使われるようなイノベーションの二面でアプローチすることが重要なのではないだろうかと問題提起できるが、具体的な議論としてはエンジニアの地位の向上と起業やイノベーションを目指す人を創成するための布教活動が必要だと思う。
 今後、日本の情報通信産業ではNGNの構築やFMCなどネットワーク周りの環境が劇的に変化する。特にNGNにおいては、高品質なネットワーク上にリッチなコンテンツやOSまでも「あちら側」においてしまおうといった試みも行われる。新しいネットワークや技術の登場は新しいビジネスチャンスでもあり、発想勝負なところがあり、今後Web2.0と呼ばれるような新しいwebの変化を日本から発信することが可能かもしれない。特にモバイル分野では、高速な通信はもちろん、決済機能などありとあらゆるサービスを収斂するものとなる。情報通信分野での強みであるモバイルと高速通信を利用したアプリケーションの開発が求められる。
こういったようにインフラの面では世界最高水準であるが、その上を走るコンテンツに対する著作権処理や、権利者の意向などによってコンテンツの流動性が低くなってしまうと、いくらインフラがあってもアメリカや韓国、中国にサービス面で負けてしまうと言うことも考えられる。



とちょっとまじめなことを書いてみたけど、NGNは絶対に失敗するよな。。

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このページは、makotoが2008年3月24日 01:47に書いたブログ記事です。

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